ケリー先生の著書の中にも掲載されているペインティング用語の基礎知識を先生の
許可を頂きここに皆さんにもご紹介します。        
          

パターンの転写

下準備はとても重要な事です。時間をかけてパターンのトレースを完全に行います。
シャープペンシル等を使いトレーシングペーパー上にパターンを写します。 直線の
エッジを引くには透明定規を使います。パターンのトレースが終わったら、各物体の
中心の垂直線に沿って半分に折り左右の対称性を確認します。両側の線は重なり合わ
なければなりません。もし合わない場合は左右の内からより良い方を選びもう一方を
消して残こした方を消した部分に写し直します。またT型定規を使い底面に対しても
垂直性を確認します。 最初のペインティング段階では基本的なアウトラインのみを
写せばよいでしょう。

アンダーコーティングとダブルペインティング

最初のブロックイン段階ではペイントはかなり透明かもしれません。ペイントを透き
通してバックグランドが見えてはしっかりとした物体を描写する事は難しいでしょう。
次に説明するどちらかの方法をとればこの透明度の問題点は解決出来るでしょう。

Undercoating

物体のカラーの中間に近いバリューを アクリル若しくはオイルペイントでミックスを
して物体全体にこのミックスカラーを塗る方法。

Double Painting

物体のカラーに対して Light, Medium, Dark の3つのバリューをミックスして、これを
バリュー配置図に従って塗ります。 乾いた後でフルバリュースケールで再び塗る方法。 
この方法の方がより完全な立体フォームを作りあげる事が出来るでしょう。

ペインティングの第1ステージ

Block and Blend

私のインストラクションの中でカラーが( )内に記されている場合は何れも、それらの
カラーに付いてはオプションとなります。ペインティングの順序はまず一番明るいバリュー
から描き入れて、次第に一番暗いバリューへと進めていきます。ペイントをしようとする
表面をカバーできる程度の適度のペイントの量を使用すれば充分です。 ペイントの量を
使用し過ぎる事はかえって問題を引き起こすばかりです。もしペイントした部分が透明すぎ
て問題な時は、物体をダブルペイントの方法で塗ってみましょう。 ペイントを塗り加える
都度に小さくペケ記しの様に短いストロークでブレンドします。

Blot

特に物体の縁などに沿っては、どんなに注意していても余分なペイントが積み重なって
しまうものです。こんな時にはティッシュペーパーを1枚の層に覇がし、このまだ乾いて
いないペイントの上にそっと置き軽いたら、モップブラシでダスティング ( 柔らかくて
ふさふさしたモップブラシのような筆で表面を軽く掃く様な動作を言う) を軽く すべての
方向に向けて行います。終わったらティッシュペーパーをそっと持ち上げてペイントから
剥がします。

ドライング

第2ステージに進む前にペイントは充分乾かしておきます。時間をかけて自然乾燥させる
方法もありますが、それに替わる短時間の急速乾燥の方法もあります。他のメデュームや
スプレィーニスを第1ステージのペイント上に使用し短時間に乾燥させる場合はそれらの
製造業者の注意事項や指示には充分目を通してから行います。これらの短時間の乾燥に
関連してペインティングや貴方の健康を害する様な影響のある事にも充分注意しましょう。

ペインティングの第2ステージ

Transparent paints

これらは色々なカラーが幾つもの業者から販売されております。この事は Grazing Medium
に依存しなけらばならない機会を少なくしています。これらの多くの場合が殆どメデュームを
加えて薄める必要がない程の透明絵具もあります。これらの透明絵具は全体にわたって物体の
色相、色温度、明度を調整するのに使用します。またこの透明絵具は暗い部分を作り、付加的
なフォームを形成するのにも役立ちます。 幾つもの薄いペイントの層を作りあげます。
少ない数のペイントの層でもよく見える場合は、2層、3層と加えればさらに良い見栄えになる
はずです。ただエッジの部分を伸ばしてやるだけでもブレンディングされる様に思わるでしょう。
もし結果が好ましくない様であればティッシュペーパーや練り消ゴムで取り除く事ができます。
またこれらの透明絵具の乾燥時間はかなり長い時間がかかりますのでその事も留意して下さい。

Shines and Glints

これらは先の透明絵具での全体的な調整が済んでから行います。まず最初にシャインを入れる
部分を透明な黄色のペイントでなすり付けます。こうする事で表面があまり滑る事なく容易に
ブレンディングが可能になります。 このほんの少量の黄色のペイントの存在が白いシャイン
部分において浄化作用(他の色を中和する)効果があります。 シャインを上手に入れるコツは
極少量のペイントを使用する事にあります。 ペイントがまだ湿っている様であればその物の
Highlight バリューから始めて次に Titanium White にほんの少量の Cadmium Yellow Pale
をミックスした(Warm White)をなすり付けます。 この様にしてグリント(輝きめき)を
外側のエッジ部分は霞のようなソフトな感じに中心部分は純粋な白色で力強い炎の様に作りあげて
行きます。 これを小さなディテール用のモップブラシや人工のふわふわした毛先の筆で和らげて
ぼかしてやります。 もしペイントをよけいな部分にまではみ出して塗ってしまった場合は練り
消しゴムではみ出した部分を取り除きます。またシャイン部分がミルキーに見える様でしたら
中央部分に白色で”きらめき”を描き加えます。

Cast Shadows

シャドーは絵にファイナルタッチを付け加えてくれます。 このシャドーには次に挙げる様な
明確な特徴があります。

1)光源とは反対の方向に陰は落ち、光が当てられた物体の形状に伴って陰の形を作ります。

2)これらの陰は透明色であり、3段階のバリューを持っています。

3)クールな感覚、色は寒色になります。

4)これらの陰は物体から落とされた部分の色を帯びます。 通常は何段階かのステージ
  に分けて描き上げますが、一番暗いバリューの部分には透明度のないほんの少量の
  ペイントを使用する事もあります。

  

Dusting(ダスティング)

柔らかくてふさふさしたモップブラシのような筆を表面を軽く掃く様に使用します。
筆圧はほとんどかけずにブレンディングの仕上げに使用します。

Reflected Light(反射光)

この表現はセカンダリー(2次的)反射とか、時には”グロー”とか表現される事もあります。
光源とは反対方向の部分に跳ね返った反射光を言います。円柱とか球形に特に顕著に現れます。
バックグランドや時にはフォーグランドにさえ現れる事もあります。

Reflected Color(反射色)

物体の回りや隣りの部分に反射し写しだされた色を言います。反射が落とされる部分には反射
された物体の色が落とされます。例えばリンゴの赤色がリンゴが置かれている隣りの壷に写し
落とされる事を言います。

Tint(ティント)

ティントは通常べースになるカラーをホワイトに混ぜたり、時にはそのもとの部分のカラーのベースに
なるカラーのより明るいバリューに混ぜる事によって、基のバリューをより明るいバリューにする為に
使用されます。 アクセントは通常はミディアムのバリューの部分に使用される場合が多いようですが、
ティントは明るいバリューをより明るくする場合にも使用される事もあります。 またティントで
アクセントにバリューの変化をつける事もあります。 また使用される場所もインタレストの高い部分で
なるべくコントラストを低くして使用されます。 また葉に使用される場合にはデザインの中ではそと側に
位置するバックグランドに近い面に位置する葉に使用されます。 但しあまりにも全面に使用したり葉の
内でも常に同じ位置の部分に使用する事はさけます。

Accent(アクセント)

アクセントは色の調和をとったり、インタレストを高めたり、インテンシティーを高めたりする為に使用され
その多くの場合は補色であったり、リフレクッテドカラーであったり、クールなアイテムにワームなカラー、
またその反対のワームなアイテムにクールなカラーをほんの少しだけ使用して先にのべた効果を高める為に
使用されます。 但し場合によってはカラーがにごったりしますので注意をしながらの選択が必要ですし
その付ける色で絵の感じをかもしだしたり、その形状も重要な要因をなします。

配色の中のアクセントとなる少量の目立つ色のことで、色相、明度、彩度のいずれかに大きなコントラストを
つけて強調させるため、「強調色」とも言います。 全体の調子を高めたり、視点を集中させたりする効果が
あり色と色の境界だけでなく、自由に配置して使用できます。

配色の中で最も広い面積で使用さている色の部分をベースカラー(base color、基調色) と呼ばれています。
次に広い面積で使用さている色をアソートカラー (assort color、配合色、従属色)と呼ばれています。
小いさな面積で使用さている色をアクセントカラー(accent color、強調色)と呼ばれています。