質感を表現する為に使用するグレージングに関して

このグレージングとは透明度の低いペイントや他の透明度の高いペイントの層(レイヤー)上にもう
 一つ透明度の高い層をペイントする事をいいますが、これはあたかも水面を通して湖の水底を見て  
いる様な効果を言います。                                 
 
 この技法は古くから多くの巨匠らによってポートレートを描く時に、皮膚や顔に深みとリアリティーを
出すのに使われてきました。                                

 柔らかな筆をペインティングメデュームにひたした後にパーマソル等のペイントをつけてウエットオン
ウエットにて必要な部分にグレーズをフロートさせます。 この効果を最大限に出したい場合には、
 その部分をよく乾かしてからグレージングをかけます。 また部分的にグレージングかけたり、何度も
違った色のグレージングをかける事で深みや立体感をだす事もできます。            

また時にはムードをかもしだす為に一色のグレージングを絵全体にかける事もできます。     
多くの巨匠達はこのグレージングのテクニックの使用をマスターしてきています。        

ヒント

1) シャドーを描き表す時に透明な薄い層のグレージングを塗り重ねる事でより澄んだ色のシャドーを
表現する事ができます。                              

2) グレージングをかける場合には一度目が乾いてから2度目を塗る様にしないと、先の層が拭いとれ
        てしまします。 この様に乾いた後でなら何層にも重ねて塗る事ができます。              

3) グレージングは明るい部分から暗い部分へと描き作ります。 シェードやハイライトを描きあげる
場合の様に、段々と塗り重ねる部分の面積を狭めて、丁度ピラミッド状に塗り重ねます。 
               
4) 暖かい色の上には暖かい色のグレージングを、クールな色の上にはクールな色のグレージングを 
かける様にします。                                

5) 使用する筆もセーブル等の細い毛を使用した筆を使うとよいでしょう。            

6) グレージングに関わるテクニックにおいてはパーマソル等の透明度の高いペイントの使用が他の 
透明度の低いオイルペイントを使用した場合に比べると大きな違いをもたらします。   

 7) 第一ステージでの基本のフォームが出来上がっていない場合には、いくらグレージングで効果を高め
ようと思っても、フォームの修正はとても難しいし、効果もあまり期待できません。   

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